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3 Posted by - 2016-08 - blog & information

scene_Floor-Finish-Work

 社会に出た時からずっと職人さんに近いところで仕事をしながら眺めています。重たい材料を搬入し、様々な道具を使いこなし、身のこなしは美しいほどに無駄なく、夏は暑く冬は寒いなか、黙々と作業してカタチに。
日々そんな姿を見ていると住宅って工場で流れ作業のように作られるものではなく、多くの人が関わって作られているのだなと思います。なので自分は「住宅」という無機質な言葉より「住まい」という暖かい言葉を使いたいところ。

普通は住まいを手に入れる際に、大手のデベロッパーやリフォーム会社などに問い合わせでリフォーム相談する事になるのでしょうが現場を知る自分にはちょっともったいなく感じます。幾つもの会社組織が関わり、どんな人たちがどのようにして作られているのがわからない。お互いの姿が見えないとどうしてもリスペクトの欠けた関係になりがちでつくる側にもつくってもらう側にも愛が失われる。

もしかしてそれが効率的ということなのかもしれないけどそれはちょっと悲しい。

住まいづくりって一生に何度もないすばらしく楽しめるイベント。造っている自分も観ていて楽しいのだからこれが自身の住まいだったらもっと楽しく見られるだろうなと。ですので極力、工事の過程を見ていただくようにしています。一通り竣工まで見ていただければどれだけ多くの人の手間隙が掛かっているのか分かります。そんな過程を眺めつつ得た「住まい」は「住宅」よりきっと、より愛着が湧くものになるはず。

例えば、野菜や果物などの食材ではWebの普及によって中間業者を飛び越え、作った人がどんなひとなのか、どんな手間と思いががかけられた作物なのか、その想いを含めて良いものを中間マージンの抑えられた良質な価格で手に入れることができるようになってます。ですが住宅分野ではまだまだそこまでは至っていません。

一般の方に「住まい」を手に入れる選択肢がもっと増えると良いなと思いつつ、自分が手がける「住まい」を直接住むひとに手渡しできるこの仕事。とても幸せな仕事だなと思っています。

scene_Glass-Installation

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