削って取り戻す

0 Posted by - 2023-06 - blog & information

中古戸建のデザイナー住宅を購入して住み変え

過去に私が手掛けたお客様からのご相談。 ”現在のマンションから中古戸建に住み変える” という事で購入前の現地確認に伺いました。
2階建ての戸建住宅は築16年、汚れや傷はだいぶあります。特に床は室内犬を飼っていたとの事でだいぶ削られている状態。

築16年のデザイナー住宅
浮造りかと思うくらい傷んだ床板
集成材のカウンター家具も傷んでいる

と言っても間取りも良く、床板は無垢フローリング、建具扉・収納家具・キッチン洗面台など全て特注制作という内外装ともに造り込まれたデザイナー住宅です。

お客様は購入後に床板と水廻りの全てを造り替えと思っていたのですが、見た感じ手間をかければ十分再生できそう。ですので大きな変更は行わず、丁寧に復旧する方向を提案してみました。


無垢フローリングの研磨復旧

普段から “無垢フローリングなら将来研磨して復旧する事もできます” とは言ってましたが実際に全面研磨するのは初めて。
そもそも研磨作業は誰に頼むのか? 大工さん?塗装屋さん? いずれも専門外なのでお願いするのは少々気が引けます…。
調べてみるとフローリングの表面を削る専門の機械を持つ業者もありますがやはり作業費用はやや高め(それでも張り替えるよりはずっと安いですが)

今回は作業時間は十分に取れそうな事もあり、自身でも試してみたかった事なので道具を用意して木部の表面を削ってみる事にしました。

作業としてはベルトサンダーほか研磨する電動工具と自作のサイクロン集塵機を用意してただひたすらに表面を削り続けるだけではあります。

ベルトサンダーで床を削る
洋室は傷が少ないが日焼けした表面を削ると白木色に
フローリング研磨後
深い傷は残るものの表面は平滑
集成材家具もほぼ白木の状態まで削る
改めてクリアオイルを塗って仕上げます

キッチンの研磨復旧

キッチンもしっかりとした造り付け特注家具。壁とも床段差とも絡んでいて作り替えるのも割と大変。カウンターは無垢板ですし、キッチン本体の内部は思ったより綺麗なのでなにしろ勿体無い。全体的に使用感はありますが素材が良いのでこちらも研磨復旧です。

全体的に使用感がある既存キッチン
無垢板のカウンターテーブルを全面研磨
ステンレス部はランダムサンダーで研磨
リニューアル後のキッチン
木部は研磨後に2液性ウレタンクリア塗装
ステンレスは研磨後にコーティング処理

洗面ボウルの大きな傷を磨く

既存は洗面ボウル一体型の人大カウンターのみが設置されたシンプルなカウンター。しかしボウル内にえぐられた様な傷があります。この大きな傷も磨いてみます。

洗面ボウル一体型の人工大理石カウンター
ボウル内にえぐれた様な大きな傷
磨くことで傷を消す

全面研磨後にコーティング処理した天板+ボウルは新品同様

 

 

洗面室に収納が少ないということもあり、既存のカウンター下に特注家具を新たに設置して完成。

壁面はしっくい仕上げだったので全体的に薄くナイロンたわしで擦って汚れを除去しています。


仕上げ復旧後のキッチン、形はほとんど変更せずに照明を追加変更した程度

今回はリノベというより復旧作業。一応こんなこともできるというお話でした。
しかし、工事業者側としては手間と時間が掛かるし作り替えたほうが楽なんですけどね…

tag :